日蓮大聖人御書
ネット御書
(釈迦一代五時継図)
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生養の縁異なれば父子成ぜず珍幣途を分ち著脱殊に隔たる消経事闕け調熟義乖く当部の文永く斯の旨無し」云云、又云く「往昔は大小の両縁倶に釈迦に在りとし今は尊特垢衣倶に弥陀に在りとせば更に笑う可きことを成ず」云云、涅槃経の疏の一に云く「無救無護無所宗仰とは此れは無主の苦を釈す貧窮孤露一旦遠離無上世尊とは此れは無親の苦を釈す設有疑惑当復問誰とは此は無師の苦を釈す」云云、涅槃経の四に云く「我又閻浮提の中に示現し疫病劫起多く衆生有って病に悩む所と為んに去って医薬を施し然して後に為に微妙の法を説いて其をして無上菩提に安住せしむ」云云、涅槃経の一に云く「我等今より救護有ること無く宗仰する所無く貧窮孤露なり、一旦無上世尊に遠離したてまつらば設い疑惑有りといえども当に復た誰にか問うべし」同二に云く「主無く親無ければ家を亡し国を亡す」又云く「一体の仏を主師親と作す」譬喩品に云く「一切衆生皆是吾が子なり」云云、寿量品に云く「我常に此の娑婆世界に在って説法教化す亦余処の百千万億那由侘阿僧祇の国に於ても衆生を導利す」云云、大論に云く「十万恒河沙等の三千の国土を名けて一仏国土と為す是の中に更に余仏無し実に一りの釈迦仏のみなり」云云、寿量品に云く「我も亦為れ世の父諸の苦患を救う者なり」云云、宝塔品に云く「能く来世に於て此の経を読み持たんは是れ真の仏子なり」云云、譬喩品に云く「若し人あつて信ぜずして此の経を毀謗せば則ち一切世間の仏種を断ず其の人命終して阿鼻獄に入り一劫を具足して劫尽きて更に生じ是くの如く展転して無数劫に至らん」又云く「但大乗経典を受持することを楽つて乃至余経の一偈をも受けざれ」妙楽大師の五百問論に云く「況や彼の華厳は但福を以て比す此の経の法を以て之を比するに同じからず、故に云く乃至不受余経一偈と人之を思わず徒らに引く何んの益あらん」玄義の五に云く「究竟の大乗は華厳大集大品法華涅槃に過ぐる無し」妙楽の釈籤の十に云く「請う有眼の者委悉に之を尋ねて法華は漸円華厳の頓極に及ばずと云うこと勿れ当に知るべし法華は部に約するときは則ち尚華厳般若を破し教に約するときは則ち尚別教の後心を破す」


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