日蓮大聖人御書
ネット御書
(御義口伝巻下)
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一 薬王品
 御義口伝に云く此の品は薬王菩薩の仏の滅後に於て法華を弘通するなり、所詮焼身焼臂とは焼は照の義なり照は智慧の義なり智能く煩悩の身生死の臂を焼くなり、天台大師も本地薬王菩薩なり、能説に約する時は釈迦なり衆生の重病を消除する方は薬王薬師如来なり又利物の方にて薬王と云う自悟の方にては薬師と云う、此の薬王薬師出世の時は天台大師なり薬王も滅後に弘通し薬師如来も像法暫時の利益有情なり、時を以て身体を顕し名を以て義を顕す事を仏顕し給うなり、薬王菩薩は止観の一念三千の法門を弘め給う、其の一念三千とは所謂南無妙法蓮華経是なり云云。
一 妙音品
 御義口伝に云く此の菩薩は法華弘通の菩薩なり故に卅四身を現じて十界互具を顕し給い利益説法するなり、是れ又妙法の妙音なれば十界の音声は皆妙音なり、又十界悉く卅四身の所現の妙音なり、又蓮華の妙音なれば十界三千の音声皆無染清浄なり、されば慈覚大師をば妙音の出世と習うなり之に依つて唐決の時引声妙音をば伝え給えり何故有りてか法華を誹謗して大日経等に劣りたりと云うや云云、所謂法界の音声南無妙法蓮華経の音声に非ずと云う事なし云云。
一 観音品
 御義口伝に云く此の品は甚深の秘品なり息災延命の品なり当途王経と名く、されば此の品に就て職位法門を継ぐぞと習うなり、天台も三大部の外に観音玄という疏を作り章安大師は両巻の疏を作り給えり能く能くの秘品なり、観音法華眼目異名と云いて観音即ち法華の体なり所謂南無妙法蓮華経の体なり云云。


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