日蓮大聖人御書
ネット御書
(百六箇抄)
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[母の義なり][地の義なり] 心法即身成仏の本迹   中間今日も迹門は心法の成仏なれば華厳阿含方等般若法華の安楽行品に至るまで円理に同ずるが故に迹は劣り本は勝るる者なり。
[女の義なり]  心法妙法蓮華経の本迹   山家云く一切諸法従本已来不生不滅性相凝然釈迦口を閉ぢて身子言を絶す云云、方便品には理具の十界互具を説く本門に至つて顕本理上の法相なれば久遠に対して之を見るに実相は久遠垂迹の本門なる故に色法に非るなり。
従因至果中間今日の本迹 像法の修行は天台伝教弘通の本迹は中間今日の迹門を因と為し本門修行を果と為るなり。
本果の妙法蓮華経の本迹 今日の本果は従因至果なれば本の本果には劣るなり、寿量の脱益在世一段の一品二半は舎利弗等の声聞の為の観心なり、我等が為には教相なり、情は迹劣本勝なり、又滅後像法相似観行解了の行益も以て是くの如し、南岳天台伝教の修行の如く末法に入つて修行せば帯権隔歴の行と成つて我等が為には虚戯の行と成る可きなり、日蓮は一向本天台は一向迹能く能く之を問う可し。
 疏の九に云く爾前皆虚にして実ならず迹門は一虚一実本門は皆実不虚云云、爾前二種の失の事一には存行布故仍未開権とて迹門の理の一念三千を隠せり、二には言始成故尚未発迹とて本門の久遠を隠せり迹門方便品は一念三千二乗作仏を説いて爾前二種の失一つ脱がれたり、本門に至りて迹門の十界因果を打破
る是即ち本因本果の法門なり、実の一念三千も顕れず二乗作仏も定らず云云、


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