日蓮大聖人御書
ネット御書
(観心本尊得意抄)
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法華の為の網目なるが故に、所詮成仏の大綱を法華に之を説き其の余の網目は衆典に之を明す、法華の為の網目なるが故に法華の証文に之を引き用ゆ可きなり、其の上法華経にて実義有る可きを爾前の経にして名字計りののしる事全く法華の為なり、然る間尤も法華の証文となるべし。
 問う法華を大綱とする証如何、答う天台は当に知るべし此の経は唯如来説教の大綱を論じて網目を委細にせざるなりと、問う爾前を網目とする証如何、答う妙楽の云く「皮膚毛綵衆典に出在せり」云云、問う成仏は法華に限ると云う証如何、答う経に云く「唯一乗の法のみ有て二も無く亦三も無し」文問う爾前は法華の為との証如何答う経に云く「種種の道を示すと雖も仏乗の為なり」委細申し度く候と雖も心地違例して候程に省略せしめ候、恐恐謹言。
= 十一月二十三日                       日蓮花押
%  富木殿御返事
帥殿の物語りしは下総に目連樹と云う木の候よし申し候し、其の木の根をほりて十両ばかり両方の切目には焼金を宛てて紙にあつくつつみて風ひかぬ様にこしらへて大夫次郎が便宜に給び候べきよし御伝えあるべく候。


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