日蓮大聖人御書
ネット御書
(神国王御書)
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*神国王御書

夫れ以れば日本国を亦水穂の国と云い亦野馬台又秋津島又扶桑等云云、六十六ヶ国二つの島已上六十八ヶ国東西三千余里南北は不定なり、此の国に五畿七道あり五畿と申すは山城大和河内和泉摂津等なり、七道と申すは東海道十五箇国東山道八箇国北陸道七箇国山陰道八ヶ国山陽道八ヶ国南海道六ヶ国西海道十一ヶ国亦鎮西と云い又太宰府と云云、已上此れは国なり、国主をたづぬれば神世十二代は天神七代地神五代なり、天神七代の第一は国常立尊乃至第七は伊奘諾尊男なり、伊奘册尊妻なり、地神五代の第一は天照太神伊勢太神宮日の神是なりいざなぎいざなみの御女なり、乃至第五は彦波瀲武ノハ草葺不合尊此の神は第四のひこほの御子なり母は竜の女なり、已上地神五代已上十二代は神世なり、人王は大体百代なるべきか其の第一の王は神武天皇此れはひこなぎさ(彦波瀲)の御子なり、乃至第十四は仲哀天皇[八幡御父なり]第十五は神功皇后[八幡御母なり]第十六は応神天皇にして仲哀と神功の御子今の八幡大菩薩なり、乃至第二十九代は宣化天皇なり、此の時までは月支漢土には仏法ありしかども日本国にはいまだわたらず。
 第三十代は欽明天皇此の皇は第二十七代の継体の御敵子なり治三十二年、此の皇の治十三年[壬申]十月十三日[辛酉]百済国の聖明皇金銅の釈迦仏を渡し奉る、今日本国の上下万人一同に阿弥陀仏と申す此れなり、其の表の文に云く臣聞く万法の中には仏法最善し世間の道にも仏法最上なり天皇陛下亦修行あるべし、故に敬つて仏像経教法師を捧げて使に附して貢献す宜く信行あるべき者なり[已上]、然りといへども欽明敏達用明の三代三十余年は崇め給う事なし、其の間の事さまざまなりといへども其の時の天変地夭は今の代にこそにて候へども今は亦其の代にはにるべくもなき変夭なり、


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