日蓮大聖人御書
ネット御書
(顕立正意抄)
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=文永十一年[太歳甲戌]十二月十五日            日蓮之を記す
*上行菩薩結要付属口伝      /建治元年   五十四歳御作

+                                 於身延
 妙法蓮華経見宝塔品第十一「爾の時に仏前に七宝の塔有り」と云云、又云く「即時に釈迦牟尼仏神通力を以て諸の大衆を接して皆虚空に在たもう、大音声を以て普く四衆に告げたまわく誰か能く此の娑婆国土に於て広く妙法華経を説かん今正く是れ時なり如来久しからずして当に涅槃に入るべし仏此の妙法華経を以て付属して在ること有らしめんと欲す」云云、又云く「諸余の教典数恒沙の如し」と云云、又云く「諸の大衆に告ぐ我滅度の後に誰か能く斯の経を護持し読誦せん今仏前に於て自ら誓言を説け」と又云く「此の経は持ち難し若し暫くも持つ者は我即ち歓喜す諸仏も亦然なり是の如きの人は諸仏の歎め給う所なり」と云云、妙法蓮華経勧持品第十三「爾時薬王菩薩摩訶薩及び大楽説菩薩摩訶薩二万の菩薩眷属と倶に皆仏前に於て是の誓言を作さく唯願くば世尊以て慮したもうべからず我等仏の滅後に於て当に此の経典を奉持し読誦し説きたてまつるべし、後の悪世の衆生は善根転た少くして増上慢多く利供養を貪り不善根を増し解脱を遠離せん教化すべきこと難しと雖も我等当に大忍力を起して此の経を読誦し持説し書写し種種に供養して身命を惜まざるべし、爾の時に衆中の五百の阿羅漢の授記を得たる者仏に白して言さく世尊我れ等亦自ら誓願すらく異の国土に於て広く此の経を説かんと、復学無学の八千人の授記を得たる者有り座従り起て合掌し仏に向いたてまつりて是誓言を作さく世尊我等亦当に他の国土に於て広く此の経を説きたてまつるべし所以は何ん是の娑婆国の中は人弊悪多く増上慢を懐き功徳浅薄に瞋濁諂曲にして心不実なるが故に」と云云、又云く「爾の時に世尊八十万億那由佗の諸の菩薩摩訶薩を視す


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