日蓮大聖人御書
ネット御書
(松野殿御消息)
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此の事信じがたき事なれども法華経はこれていにをびただしく、ことごとしき事どもあまた侍べり、又信ぜじと思へば多宝仏は証明を加へ教主釈尊は正直の金言となのらせ給ふ、諸仏は広長舌を梵天につけ給いぬ、父のゆづりに母の状をそゑて賢王の宣旨を下し給うが如し、三つ是一同なり誰か是れを疑はん、されば是れを疑いし無垢論師は舌五つに破れ嵩法師は舌ただれ三階禅師は現身に大蛇となる徳一は舌八つにさけにき、其れのみならず此の法華経並に行者を用ひずして身をそんじ家をうしない国をほろぼす人人月支震旦に其の数をしらず、第一には日天朝に東に出で給うに大光明を放ち天眼を開きて南閻浮提を見給うに法華経の行者あれば心に歓喜し行者をにくむ国あれば天眼をいからして其の国をにらみ給い、始終用いずして国の人にくめば其の故と無くいくさをこり他国より其の国を破るべしと見えて候。
 昔し徳勝童子と申せしをさなき者は土の餅を釈迦仏に供養し奉りて阿育大王と生れて閻浮提の主と成りて結句は仏になる、今の施主の菓子等を以つて法華経を供養しまします、何かに十羅刹女等も悦び給らん、悉く尽しがたく候、南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経。
=二月十七日                         日蓮花押
%松野殿御返事


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