日蓮大聖人御書
ネット御書
(撰時抄)
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等云云、経文は大集経の白法隠没の次の時をとかせ給うに広宣流布と云云、同第六の巻に云く「悪世末法の時能く是の経を持つ者」等云云又第五の巻に云く「後の末世の法滅せんとする時」等又第四の巻に云く「而も此経は如来現在にすら猶怨嫉多し況や滅度の後をや」又第五の巻に云く「一切世間怨多くして信じ難し」又第七の巻に第五の五百歳闘諍堅固の時を説いて云く「悪魔魔民諸の天竜夜叉鳩槃荼等其の便を得ん」大集経に云く「我が法の中に於て闘諍言訟せん」等云云、法華経の第五に云く「悪世の中の比丘」又云く「或は阿蘭若に有り」等云云又云く「悪鬼其身に入る」等云云、文の心は第五の五百歳の時悪鬼の身に入る大僧等国中に充満せん其時に智人一人出現せん彼の悪鬼の入る大僧等時の王臣万民等を語て悪口罵詈杖木瓦礫流罪死罪に行はん時釈迦多宝十方の諸仏地涌の大菩薩らに仰せつけ大菩薩は梵帝日月四天等に申しくだされ其の時天変地夭盛なるべし、国主等其のいさめを用いずば鄰国にをほせつけて彼彼の国国の悪王悪比丘等をせめらるるならば前代未聞の大闘諍一閻浮提に起るべし其の時日月所照の四天下の一切衆生、或は国ををしみ或は身ををしむゆへに一切の仏菩薩にいのりをかくともしるしなくば彼のにくみつる一の小僧を信じて無量の大僧等八万の大王等、一切の万民皆頭を地につけ掌を合せて一同に南無妙法蓮華経ととなうべし、例せば神力品の十神力の時十方世界の一切衆生一人もなく娑婆世界に向つて大音声をはなちて南無釈迦牟尼仏南無釈迦牟尼仏南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経と一同にさけびしがごとし。
問うて曰く経文は分明に候天台妙楽伝教等の未来記の言はありや、答えて曰く汝が不審逆なり釈を引かん時こそ経論はいかにとは不審せられたれ経文に分明ならば釈を尋ぬべからず、さて釈の文が経に相違せば経をすてて釈につくべきか如何、彼云く道理至極せり、しかれども凡夫の習経は遠し釈は近し近き釈分明ならばいますこし信心をますべし、今云く汝が不審ねんごろなれば少少釈をいだすべし天台大師云く「後の五百歳遠く妙道に沾わん」


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