日蓮大聖人御書
ネット御書
(生死一大事血脈抄)
<1.前 P1338 2.次>

過去の宿縁追い来つて今度日蓮が弟子と成り給うか釈迦多宝こそ御存知候らめ、「在在諸仏土常与師倶生」よも虚事候はじ。
 殊に生死一大事の血脈相承の御尋ね先代未聞の事なり貴貴、此の文に委悉なり能く能く心得させ給へ、只南無妙法蓮華経釈迦多宝上行菩薩血脈相承と修行し給へ、火は焼照を以て行と為し水は垢穢を浄るを以て行と為し風は塵埃を払ふを以て行と為し又人畜草木の為に魂となるを以て行と為し大地は草木を生ずるを以て行と為し天は潤すを以て行と為す妙法蓮華経の五字も又是くの如し本化地涌の利益是なり、上行菩薩末法今の時此の法門を弘めんが為に御出現之れ有るべき由経文には見え候へども如何が候やらん、上行菩薩出現すとやせん出現せずとやせん、日蓮先ず粗弘め候なり、相構え相構えて強盛の大信力を致して南無妙法蓮華経臨終正念と祈念し給へ、生死一大事の血脈此れより外に全く求むることなかれ、煩悩即菩提生死即涅槃とは是なり、信心の血脈無くんば法華経を持つとも無益なり、委細の旨又又申す可く候、恐恐謹言。
=文永九年壬申二月十一日     桑門 日蓮花押
%最蓮房上人御返事
*草木成仏口決       /文永九年二月二十日 五十一歳御作

+                             与最蓮房日浄
 問うて云く草木成仏とは有情非情の中何れぞや、答えて云く草木成仏とは非情の成仏なり、問うて云く情非情共に今経に於て成仏するや、答えて云く爾なり、問うて云く証文如何、答えて云く妙法蓮華経是なり妙法とは有情の成仏なり蓮華とは非情の成仏なり、有情は生の成仏非情は死の成仏生死の成仏と云うが有情非情の成仏の事なり、


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