日蓮大聖人御書
ネット御書
(開目抄下)
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六巻の般泥。経に云く「阿羅漢に似たる一闡提有つて悪業を行ず、一闡提に似たる阿羅漢あつて慈心を作さん羅漢に似たる一闡提有りとは是の諸の衆生方等を誹謗するなり、一闡提に似たる阿羅漢とは声聞を毀呰し広く方等を説くなり衆生に語つて言く我れ汝等と倶に是れ菩薩なり所以は何ん一切皆如来の性有る故に然も彼の衆生一闡提なりと謂わん」等云云、涅槃経に云く「我涅槃の後乃至正法滅して後像法の中に於て当に比丘有るべし持律に似像して少かに経を読誦し飲食を貪嗜し其の身を長養す、袈裟を服ると雖も猶猟師の細視徐行するが如く猫の鼠を伺うが如し、常に是の言を唱えん我羅漢を得たりと外には賢善を現わし内には貪嫉を懐かん唖法を受けたる婆羅門等の如し、実に沙門に非ずして沙門の像を現じ邪見熾盛にして正法を誹謗せん」等云云。
 夫れ鷲峯雙林の日月毘湛東春の明鏡に当世の諸宗並に国中の禅律念仏者が醜面を浮べたるに一分もくもりなし、妙法華経に云く「於仏滅度後恐怖悪世中」安楽行品に云く「於後悪世」又云く「於末世中」又云く「於後末世法欲滅時」分別功徳品に云く「悪世末法時」薬王品に云く「後五百歳」等云云、正法華経の勧説品に云く「然後末世」又云く「然後来末世」等云云、添品法華経に云く等、天台の云く「像法の中の南三北七は法華経の怨敵なり」、伝教の云く「像法の末南都六宗の学者は法華の怨敵なり」等云云、彼等の時はいまだ分明ならず、此は教主釈尊多宝仏宝塔の中に日月の並ぶがごとく十方分身の諸仏樹下に星を列ねたりし中にして正法一千年像法一千年二千年すぎて末法の始に法華経の怨敵三類あるべしと八十万億那由佗の諸菩薩の定め給いし虚妄となるべしや、当世は如来滅後二千二百余年なり大地は指ばはづるとも春は花はさかずとも三類の敵人必ず日本国にあるべし、さるにてはたれたれの人人か三類の内なるらん又誰人か法華経の行者なりとさされたるらんをぼつかなし、彼の三類の怨敵に我等入りてやあるらん又法華経の行者の内にてやあるらんをぼつかなし、周の第四昭王の御宇二十四年甲寅四月八日の夜中に天に五色の光気南北に亘りて昼のごとし、大地六種に震動し


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