日蓮大聖人御書
ネット御書
(六郎恒長御消息)
<1.前 P1369 2.次>

次に法華経に云く「世尊の法は久しくして後要当に真実を説くべし」とは念仏等の不真実に対し南無妙法蓮華経を真実と申す文なり、次下に云く「仏は自ら大乗に住したまへり乃至若し小乗を以て化すること乃至一人に於てせば我即ち慳貪に堕す此の事は為て不可なり」云云、此の文の意は法華経を仏胸に秘しをさめて観経念仏等の四十余年の経計りを人人に授けて法華経を説かずして黙止するならば我は慳貪の者なり三悪道に堕すべしと云う文なり、仏すら尚唯念仏を行じて一生をすごし法華経に移らざる時は地獄に堕すべしと云云、況や末代の凡夫一向に南無阿弥陀仏と申して一生をすごし法華経に移つて南無妙法蓮華経と唱えざる者三悪道を免るべきや、第二の巻に云く今此三界等と云云、此の文は日本国六十六箇国嶋二つの大地は教主釈尊の本領なり娑婆以て此くの如く全く阿弥陀の領に非ず、其中衆生悉是吾子と云云、日本国の四十九億九万四千八百二十八人の男女各父母有りといへども其の詮を尋ぬれば教主釈尊の御子なり、三千余社の大小の神祇も釈尊の御子息なり全く阿弥陀仏の子に非ざるなり。
=文永元年甲子九月 日                  日蓮花押
%  南部六郎恒長殿
*波木井三郎殿御返事          /文永十年八月 五十二歳御作

+  与南部六郎三郎
 鎌倉に筑後房弁阿闍梨大進阿闍梨と申す小僧等之有り之を召して御尊び有る可し御談義有る可し大事の法門等粗ぼ申す、彼等は日本に未だ流布せざる大法少少之を有す随つて御学問注るし申す可きなり。
鳥跡飛び来れり不審の晴ること疾風の重雲を巻いて明月に向うが如し、


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