日蓮大聖人御書
ネット御書
(念仏無間地獄抄)
<1.前 P0097 2.次>

*念仏無間地獄抄 /建長七年  三十四歳御作

 念仏は無間地獄の業因なり法華経は成仏得道の直路なり早く浄土宗を捨て法華経を持ち生死を離れ菩提を得可き事法華経第二譬喩品に云く「若人信ぜずして此の経を毀謗せば、即ち一切世間の仏種を断ぜん、其の人命終して阿鼻獄に入らん、一劫を具足して劫尽きなば更生れん、是くの如く展転して無数劫に至らん」云云 此の文の如くんば方便の念仏を信じて真実の法華を信ぜざらん者は無間地獄に堕つ可きなり念仏者云く我等が機は法華経に及ばざる間信ぜざる計りなり毀謗する事はなし何の科に地獄に堕つ可きか、法華宗云く信ぜざる条は承伏なるか、次に毀謗と云うは即不信なり信は道の源功徳の母と云へり菩薩の五十二位には十信を本と為し十信の位には信心を始と為し諸の悪業煩悩は不信を本と為す云云、然ば譬喩品の十四誹謗も不信を以て体と為せり今の念仏門は不信と云い誹謗と云い争か入阿鼻獄の句を遁れんや、其の上浄土宗には現在の父たる教主釈尊を捨て他人たる阿弥陀仏を信ずる故に五逆罪の咎に依って必ず無間大城に堕つ可きなり、経に今此の三界は皆是我有なりと説き給うは主君の義なり其の中の衆生悉く是れ吾子と云うは父子の義なり而るに今此の処は諸の患難多し、唯我一人能く救護を為すと説き給うは師匠の義なり而して釈尊付属の文に此法華経をば付属有在と云云何れの機か漏る可き誰人か信ぜざらんや、而るに浄土宗は主師親たる教主釈尊の付属に背き他人たる西方極楽世界の阿弥陀如来を憑む故に主に背けり八逆罪の凶徒なり違勅の咎遁れ難し即ち朝敵なり争か咎無けんや、次に父の釈尊を捨つる故に五逆罪の者なり豈無間地獄に堕ちざる可けんや、次に師匠の釈尊に背く故に七逆罪の人なり争か悪道に堕ちざらんや此の如く教主釈尊は娑婆世界の衆生には主師親の三徳を備て大恩の仏にて御坐す此の仏を捨て他方の仏を信じ弥


<1.前 P0097 2.次>