日蓮大聖人御書
ネット御書
(棧敷女房御返事)
<1.前 P1232 2.次>

*棧敷女房御返事    /建治四年二月 五十七歳御作

 白かたびら布一給い畢んぬ、法華経を供養申しまいらせ候に十種くやうと申す十のやう候、其のなかに衣服と申し候はなににても候へ、僧のき候物をくやうし候、其の因縁をとかれて候には過去に十万億の仏をくやうせる人法華経に近づきまいらせ候とこそとかれて候へ、あらあら申すべく候へども、身にいたはる事候間こまやかならず候、恐恐謹言。
=二月十七日                         日蓮花押
% さじきの女房御返事
*善無畏抄    /建治元年 五十四歳御作

 善無畏三歳は月氏烏萇奈国の仏種王の太子なり、七歳にして位に即き給う十三にして国を兄に譲り出家遁世し五天竺を修行して五乗の道を極め三学を兼ね給いき、達磨掬多と申す聖人に値い奉りて真言の諸印契一時に頓受し即日に御潅頂なし人天の師と定まり給いき、^足山に入りては迦葉尊者の髪を剃り王城に於て雨を祈り給いしかば観音日輪の中より出て水瓶を以て水を潅ぎ、北天竺の金粟王の塔の下にして仏法を祈請せしかば文殊師利菩薩大日経の胎蔵の曼荼羅を現して授け給う、其の後開元四年丙辰に漢土に渡る玄宗皇帝之を尊むこと日月の如し、又大旱魃あり皇帝勅宣を下す、三蔵一鉢に水を入れ暫く加持し給いしに水の中に指許りの物有り変じて竜と成る其の色赤色なり、


<1.前 P1232 2.次>