日蓮大聖人御書
ネット御書
(上野殿御返事)
<1.前 P1510 2.次>

 今始めて申すにあらず二十余年が間音もをしまずよばはり候いぬるなり、あなかしこあなかしこ、この御文は大事の事どもかきて候、よくよく人によませてきこしめせ、人もそしり候へものともおもはぬ法師等なり、恐恐謹言。
=   文永十一年[太歳甲戌]十一月十一日         日蓮花押
%  南条七郎次郎殿御返事
*春の祝御書

 春のいわいわすでに事ふり候いぬ、さては故なんでうどの(南条殿)はひさしき事には候はざりしかどもよろず事にふれてなつかしき心ありしかばをろかならずをもひ しによわひ盛んなりしにはかなかりし事わかれかなしかりしかばわざとかまくらよりうちくだかり御はかをば見候いぬ、それよりのちはするがのびんにはとをもひしにこのたびくだしには人にしのびてこれへきたりしかばにしやまの入道殿にもしられ候はざりし上は力をよばずとをりて候いしが心にかかりて候その心をとげんがために此の御房は正月の内につかわして御はかにて自我偈一巻よませんとをもひてまいらせ候、御とのの御かたみもなしなんとなげきて候へばとのをとどめをかれける事よろこび入つて候、故殿は木のもとくさむらのかげかよう人もなし、仏法をも聴聞せんずいかにつれづれなるらん、をもひやり候へばなんだもとどまらず、とのの法華経の行者うちぐして御はかにむかわせ給うには、いかにうれしかるらんいかにうれしかるらん。


<1.前 P1510 2.次>