一代五時図

一代五時図

  [竜樹菩薩造]

 大論に云く十九出家浄飯王の太子 三十成道悉達太子

    権大乗              杜順法師

        六十巻          智儼法師

  華厳経          華厳宗

  八十巻          法蔵大師

    三七日              澄観法師

         増一阿含経           世親菩薩

                   倶舎宗

    小乗経  中阿含経            玄奘三蔵

  阿含経

    十二年  長阿含経      成実宗   迦梨跋摩

         雑阿含経      律宗    道宣律師

                         二百五十戒   僧

                    小乗戒  五百戒     尼

                         五戒      男女

                         八斎戒     男女

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                [百巻]

          五巻    瑜伽論 弥勒菩薩造

         深密経    唯識論 世親菩薩造

                     法相宗   玄奘三蔵

                           慈恩大師

         [六十巻]

         大集経

                  雙巻経

浄土三部経 観経

              阿弥陀経

           浄土宗    曇鸞法師              

道綽禅師

善導和尚

      法然房

大日経  七巻

金剛頂経 三巻

蘇悉地経 三巻

善無畏三蔵

金剛智三蔵

   権大乗    真言宗   不空三蔵

方等部 慧果和尚

三十年       弘法大師

慈覚大師

智証大師

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楞伽経  四巻

十巻

達摩大師

禅宗 慧可

              道信

              求忍

              慧能

百論   提婆菩薩造

権大乗 中論   竜樹菩薩造

般若 十二門論 同

 四十巻 大智度論 同

興皇

三論宗 嘉祥大師

            吉蔵

   無量義経 七十二歳

四十余年には未だ真実を顕さず、方便の力を以て四十余年には未だ真実を顕さず、無量無辺不可思議阿僧祇劫

を過れども終に無上菩提を成ずることを得ず、所以は何ん菩提の大直道を知らざるが故に険逕を行くは留難多き

が故に、大直道を行くは留難無きが故に。

実大乗 顕露宗

法華経 最秘密宗

八箇年 仏立宗

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法華宗

天台宗

世尊は法久しくして後に要当に真実を説き給うべし正直に方便を捨てて但無上道を説く種種の道を示すと雖も

其れ実には仏乗の為なり、今此の三界は皆是れ我が有なり其の中の衆生は悉く是れ吾が子なり而も今此の処は諸

の患難多し唯我れ一人のみ能く救護を為す復教詔すと雖も而も信受せず、若し人信ぜずして此の経を毀謗せば則

一切世間の仏種を断ぜん、或は復醍Eして疑惑を懐かん汝当に此の人の罪報を説くことを聴くべし若しは仏の在

世若しは滅度の後其れ斯の如き経典を誹謗すること有らん経を読誦し書持する有らん者を見て軽賎憎嫉し而も結

恨を懐かん此の人の罪報を汝今復聴け其の人命終して阿鼻獄に入らん一劫を具足して劫尽きなば更生じ是の如く

展転して無数劫に至らん此に於て死し已つて更に蟒身を受けん其の形長大にして五百由旬ならん、若し是の善男

子善女人我が滅度の後に能く竊に一人の為にも法華経の乃至一句を説かん当に知るべし是の人は則如来の使なり

如来の所遣として如来の事を行ずるなり、薬王若し悪人有って不善の心を以て一劫の中に於て現に仏前に於て常

に仏を毀罵せん其の罪尚軽し若人一の悪言を以て在家出家の法華経を読誦する者を毀呰せば其の罪甚だ重し薬王

今汝に告ぐ我が所説の諸経而も此の経の中に於て法華最も第一なり我が所説の経典無量千万億にして已に説き今

説き当に説かん而も其の中に於て此の法華経最も為難信難解なり若し法師に親近せば速かに菩薩の道を得ん是の

師に随順して学せば恒沙の仏を見上ることを得ん、爾の時に宝塔の中より大音声を出して歎めて言わく善哉善哉

釈迦牟尼世尊能く平等大慧教菩薩法仏所護念の妙法華経を以て大衆の為に説き給う是の如し是の如し釈迦牟尼世

尊の所説の如きは皆是れ真実なり諸余の経典数恒沙の如し

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此等を説くと雖も未だ難しと為すに足らず若し須弥を接つて他方無数の仏土に擲げ置かんも亦未だ難しと為さず

若し仏の滅度に悪世の中に於て能く此の経を説かん是れ則ち難しと為す、諸の無智の人の悪口罵詈等し及び刀杖

を加うる者有らん我等皆当に忍ぶべし悪世の中の比丘は邪智にして心諂曲に未だ得ざるを為れ得たりと謂い我慢

の心充満せん或は阿練若に納衣にして空閑に在って自ら真の道を行ずと謂いて人間を軽賎する者有らん利養に貪

著するが故に白衣の与に法を説いて世に恭敬せらるること六通の羅漢の如くならん常に大衆の中に在つて我等を

毀らんと欲する故に国王大臣婆羅門居士及び余の比丘衆に向つて誹謗して我が悪を説いて是れ邪見の人外道の論

議を説くと謂わん濁劫悪世の中には多く諸の恐怖有らん悪鬼其身に入つて我を罵詈し毀辱せん濁世の悪比丘は仏

の方便随宜所説の法を知らず悪口して醍Eし数数擯出せられん、大神力を現し広長舌を出して上梵世に至らしむ

諸仏も亦復是の如く広長舌を出し給う。

依報不依人 文殊普賢観音地蔵等竜樹菩薩善無畏弘法慈覚法蔵嘉祥善導等なり

一日一夜 依義不依語

涅槃経 依智不依識

八十入滅 依了義経 法華経

不依不了義経 観経等

大日経等

深密経等

華厳経等

般若経等

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