富木殿御書

富木殿御書       /文永十一年 五十三歳御作

 けかち申すばかりなし米一合もうらずがししぬべし、此の御房たちもみなかへして但一人候べし、このよしを

御房たちにもかたりさせ給へ。

 十二日さかわ十三日たけのした十四日くるまがへし十五日ををみや十六日なんぶ、十七日このところいまだ

さだまらずといえども、たいしはこの山中心中に叶いて候へばしばらくは候はんずらむ、結句は一人になりて日

本国に流浪すべきみにて候、又たちとどまるみならばけさんに入り候べし、恐恐謹言。

= 十七日                  日蓮在御判

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