孝子御書 |
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孝子御書
御親父御逝去の由風聞真にてや候らん、貴辺と大夫志の御事は代末法に入つて生を辺土にうけ法華の大法を御 信用候へば悪鬼定めて国主と父母等の御身に入りかわり怨をなさん事疑なかるべきところに、案にたがふ事なく 親父より度度の御かんだうをかうほらせ給ひしかども兄弟ともに浄蔵浄眼の後身か将た又薬王薬上の御計らいか のゆへについに事ゆへなく親父に御かんきをゆりさせ給いて前にたてまいらせし御孝養心に任せさせ給いぬるは あに孝子にあらずや、定めて天よりも悦びをあたへ法華経十羅刹も御納受あるべし。 其の上貴辺の御事は心の内に感じをもう事候、此の法門経のごとくひろまり候わば御悦び申すべし、穴賢穴賢 兄弟の御中不和にわたらせ給ふべからず不和にわたらせ給ふべからず、大夫志殿の御文にくわしくかきて候きこ しめすべし、恐恐謹言。 = 弘安二年二月二十一日 日蓮花押 P1101 |