両人御中御書 |
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両人御中御書 /弘安二年 五十八歳御作
於身延 大国阿闍梨えもんのたいう志殿等に申す、故大進阿闍梨の坊は各各の御計らいに有るべきかと存じ候に今に人 も住せずなんど候なるはいかなる事ぞ、ゆづり状のなくばこそ人人も計らい候はめ、くはしくうけ給わり候へば べんの阿闍梨にゆづられて候よしうけ給わり候き、又いぎあるべしともをぼへず候、それに御用いなきは別の子 細の候か其の子細なくば大国阿闍梨大夫殿の御計らいとして弁の阿闍梨の坊へこぼちわたさせ給い候へ、心けん なる人に候へばいかんがとこそをもい候らめ、弁の阿闍梨の坊をすりしてひろくもらずば諸人の御ために御たか らにてこそ候はんずらむめ、ふゆはせうまうしげし、もしやけなばそむと申し人もわらいなん、このふみついて 両三日が内に事切て各各御返事給び候はん、恐恐謹言。 = 十月廿日 日蓮花押 % 両人御中 ゆづり状をたがうべからず P1102 |