陰徳陽報御書

陰徳陽報御書

 いよいよかない候べし、いかにわなくともきかぬやうにてをはすべし、此の事をみ候に申すやうにだにふれま

わせ給うならばなをも所領もかさなり人のをぼへもいできたり候べしとをぼへ候、さきざき申し候いしやうに陰

徳あれば陽報ありと申して、皆人は主にうたへ主もいかんぞをぼせしかどもわどのの正直の心に主の後生をたす

けたてまつらむとをもう心がうじやうにしてすれんをすすればかかるりしやうにもあづからせ給うぞかし此は物

のはしなり大果報は又来るべしとおぼしめせ、又此の法門の一行いかなる本意なき事ありともみずきかずいわず

してむつばせ給へ、大人にはいのりなしまいらせ候べし、上に申す事私の事にはあらず外典三千内典五千の肝心

の心をぬきてかきて候、あなかしこあなかしこ恐恐謹言。

=卯月二十三日                   日蓮在御判

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