遠藤左衛門尉御書

遠藤左衛門尉御書

 日蓮此の度赦免を被むり鎌倉へ登るにて候、如我昔所願今者已満足此の年に当るか、遠藤殿御育み無くんば命

永らう可しや亦赦免にも預かる可しや、日蓮一代の行功は偏に左衛門殿等遊し候処なり、御経に「天諸童子以て

給使を為し刀杖も加えず毒も害すること能はず」と候得ば有難き御経なるかな、然ば左衛門殿は梵天釈天の御使

にてましますか、霊山えの契約に此の判を参せ候、一流は未来え持せ給え霊山に於て日蓮日蓮と呼び給え、其の

時御迎えに罷り出ず可く候、猶又鎌倉より申し進す可く候なり。

=文永十一年甲戌三月十二日                     日蓮

%遠藤左衛門尉殿