上野殿御返事
いゑのいも一駄ごばう一つと大根六本、いもは石のごとしごばうは大牛の角のごとし大根は大仏堂の大くぎの
ごとしあぢわひは利天の甘露のごとし、石を金にかうる国もあり土をこめにうるところもあり、千金の金をも
てる者もうえてしぬ、一飯をつとにつつめる者にこれをとれり、経に云く「うえたるよにはよねたつとし」と云
云、一切の事は国により時による事なり、仏法は此の道理をわきまうべきにて候、又又申すべし、恐恐謹言。
=弘安四年九月廿日 日蓮花押
% 上野殿御返事
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