日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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早勝問答

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*早勝問答

      /文永八年 五十歳御作

浄土宗問答。

 問う六字の名号は善悪の中には何ぞや、答う一義に云く今問う所の善悪は世出の中には何ぞや、一義に云く云う所の善悪を治定せば堕獄治定なるか、一義に云く名号悪と治定せば堕獄治定なるか、一義に云く念仏無間治定して其の上に善悪を尋ぬるか、一義に云く汝が依経は権実の中には何れぞや。

 問う念仏無間と云わば法華も無間なり、答う一義に云く法華無間とは自義なるか経文なるか、一義に云く念仏無間をば治定して法華無間と云うか、一義に云く祖師の謗法を治定して法華も無間と云うか、一義に云く汝が云う所の法華は超過の法華か又弥陀成仏の法華か。

 問うて云く念仏無間の証拠二十八品の中には何れぞや、答う一義に云く二十八品の中に証拠有らば堕獄治定なるか、一義に云く法華を誹謗するを証拠とするなり、一義に云く法華の文を尋ぬるは信じて問うか信ぜずして問うか、一義に云く直に入阿鼻獄の文を出すなり、一義に云く妙法蓮華経其の証拠なり、一義に云く弥陀の本誓に背く故なり、一義に云く弥陀の命を断つ故なり、一義に云く有縁の釈尊に背く故なり念仏無間は三世諸仏の配立なり。

 問う止観の念仏の事、答う一義に云く法然所立の念仏は堕獄治定して止観を問うか、一義に云く西方の念仏と一なるか異なるか、一義に云く止観の念仏は法華を誹謗するか、一義に云く彼に文段を問う可し、一義に云く止観に依つて浄土宗を建立するか。


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満月城岡山ポケット版御書