日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

法華取要抄

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二の日並び出るは一国に二の国王並ぶ相なり、王と王との闘諍なり、星の日月を犯すは臣王を犯す相なり、日と日と競い出るは四天下一同の諍論なり、明星並び出るは太子と太子との諍論なり、是くの如く国土乱れて後に上行等の聖人出現し本門の三つの法門之を建立し一四天四海一同に妙法蓮華経の広宣流布疑い無からん者か。

= 文永十一年五月

在御判

*四信五品抄 / 建治三年四月十日 五十六歳御作

+ 与富木常忍

青鳧一結送り給び候い了んぬ。

今来の学者一同の御存知に云く「在世滅後異なりと雖も法華を修行するには必ず三学を具す一を欠いても成ぜず」云云。

余又年来此の義を存する処一代聖教は且らく之を置く法華経に入つて此の義を見聞するに序正の二段は且らく之を置く流通の一段は末法の明鏡尤も依用と為すべし、而して流通に於て二有り一には所謂迹門の中の法師等の五品二には所謂本門の中の分別功徳の半品より経を終るまで十一品半なり、此の十一品半と五品と合せて十六品半此の中に末法に入つて法華を修行する相貌分明なり是に尚事行かずんば普賢経涅槃経等を引き来りて之れを糾明せんに其の隠れ無きか、其の中の分別功徳品の四信と五品とは法華を修行するの大要在世滅後の亀鏡なり。

 荊谿の云く「一念信解とは即ち是れ本門立行の首なり」と云云、其の中に現在の四信の初の一念信解と滅後の五品の第一の初随喜と此の二処は


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