日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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顕謗法抄

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「信ずる者にして慧無く顛倒して義を解するが故に」等と云云、顛倒解義とは実経の文を得て権経の義を覚る者なり。

 問うて云く信而不解得道の文如何、答えて云く涅槃経の三十二に云く「是れ菩提の因は復無量なりと雖も若し信心を説けば已に摂尽す」文九に云く「此の経を聞き已つて悉く皆菩提の因縁と作る法声光明毛孔に入る者は必定して当に阿耨多羅三藐三菩提を得べし」等と云云、法華経に云く「信を以て入ることを得」等と云云、問うて云く解而不信の者は如何、答う恒河の第一の者なり、問うて云く証文如何、答えて云く涅槃経の三十六に第一を説て云く「人有りて是の大涅槃経の如来常住無有変易常楽我浄を聞くとも終に畢竟して於涅槃の一切衆生悉有仏性に入らざるは一闡提の人なり方等経を謗じ五逆罪を作り四重禁を犯すとも必ず当に菩提の道を成ずることを得須陀・の人斯陀含の人阿那含の人阿羅漢の人辟支仏等必ず当に阿○菩提を成ずることを得べし是の語を聞き已つて不信の心を生ず」等と云云。

 問うて云く此の文不信とは見えたり解而不信とは見えず如何、答えて云く第一の結文に云く「若し智慧有つて信心有ること無き是の人は則ち能く邪見を増長す」文。


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