日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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木絵二像開眼之事

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魔入つて功徳をうばふ魔をば奪功徳者といふ、鬼をあがむるゆへに今生には国をほろぼす魔をたとむゆへに後生には無間獄に堕す、人死すれば魂去り其の身に鬼神入り替つて子孫を亡ぼす、餓鬼といふは我をくらふといふ是なり、智者あつて法華経を讃歎して骨の魂となせば死人の身は人身心は法身生身得忍といへる法門是なり、華厳方等般若の円をさとれる智者は死人の骨を生身得忍と成す、涅槃経に身は人身なりと雖も心は仏心に同ずといへるは是なり、生身得忍の現証は純陀なり、法華を悟れる智者死骨を供養せば生身即法身是を即身といふ、さりぬる魂を取り返して死骨に入れて彼の魂を変えて仏意と成す成仏是なり、即身の二字は色法成仏の二字は心法死人の色心を変えて無始の妙境妙智と成す是れ則ち即身成仏なり、故に法華経に云く「所謂諸法如是相[死人の身]如是性[同く心]如是体[同く色心等]云云、又云く「深く罪福の相に達して・く十方を照したまう微妙の浄き法身相を具せること三十二」等云云、上の二句は生身得忍下の二句は即身成仏即身成仏の手本は竜女是なり生身得忍の手本は純陀是なり。

*女人成仏抄

    /文永二年  四十四歳御作

 提婆品に云く「仏告諸比丘未来世中乃至蓮華化生」等云云、此の提婆品に二箇の諌暁あり所謂達多の弘経釈尊の成道を明し又文殊の通経竜女の作仏を説く、されば此の品を長安宮に一品切り留めて二十七品を世に流布する間秦の代より梁の代に至るまで七代の間の王は二十七品の経を講読す、其の後満法師と云いし人此の品法華経になき由を読み出され候いて後長安城より尋ね出し今は二十八品にて弘まらせ給う、さて此の品に浄心信敬の人のことを云うに


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