日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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御義口伝巻下

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*御義口伝巻下

   日蓮所立自寿量品至開結二経

        寿量品廿七箇の大事

第一 南無妙法蓮華経如来寿量品第十六の事 文句の九に云く如来とは十方三世の諸仏二仏三仏本仏迹仏の通号なり別しては本地三仏の別号なり、寿量とは詮量なり、十方三世二仏三仏の諸仏の功徳を詮量す故に寿量品と云うと。

 御義口伝に云く此の品の題目は日蓮が身に当る大事なり神力品の付属是なり、如来とは釈尊惣じては十方三世の諸仏なり別しては本地無作の三身なり、今日蓮等の類いの意は惣じては如来とは一切衆生なり別しては日蓮の弟子檀那なり、されば無作の三身とは末法の法華経の行者なり無作の三身の宝号を南無妙法蓮華経と云うなり、寿量品の事の三大事とは是なり、六即の配立の時は此の品の如来は理即の凡夫なり頭に南無妙法蓮華経を頂戴し奉る時名字即なり、其の故は始めて聞く所の題目なるが故なり聞き奉りて修行するは観行即なり此の観行即とは事の一念三千の本尊を観ずるなり、さて惑障を伏するを相似即と云うなり化他に出づるを分真即と云うなり無作の三身の仏なりと究竟したるを究竟即の仏とは云うなり、惣じて伏惑を以て寿量品の極とせず唯凡夫の当体本有の侭を此の品の極理と心得可きなり、無作の三身の所作は何物ぞと云う時南無妙法蓮華経なり云云。

第二 如来秘密神通之力の事

 御義口伝に云く無作三身の依文なり、此の文に於て重重の相伝之有り、神通之力とは我等衆生の作作発発と振舞う処を神通と云うなり


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