日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

光日上人御返事

<前 P0934 次>


烏竜と云いし者は法華経を謗じて地獄に堕ちたりしかども其の子に遺竜と云いし者法華経を書きて供養せしかば親仏に成りぬ、又妙荘厳王は悪王なりしかども御子の浄蔵浄眼に導かれて娑羅樹王仏と成らせ給う、其の故は子の肉は母の肉母の骨は子の骨なり、松栄れば柏悦ぶ芝かるれば蘭なく情無き草木すら友の喜び友の歎き一つなり、何に況や親と子との契り胎内に宿して九月を経て生み落し数年まで養ひき、彼にになはれ彼にとぶらはれんと思いしに彼をとぶらふうらめしさ、彼如何があらんと思うこころぐるしさいかにせんいかにせん、子を思う金鳥は火の中に入りにき、子を思いし貧女は恒河に沈みき、彼の金鳥は今の弥勒菩薩なり彼の河に沈みし女人は大梵天王と生まれ給えり、何に況や今の光日上人は子を思うあまりに法華経の行者と成り給ふ、母と子と倶に霊山浄土へ参り給うべし、其の時御対面いかにうれしかるべきいかにうれしかるべき、恐恐。

= 八月八日                      日蓮花押

%光日上人御返事

*光日尼御返事

 

 なきなをながさせ給うにや、三つのつなは今生に切れぬ五つのさわりはすでにはれぬらむ、心の月くもりなく身のあかきへはてぬ、即身の仏なりたうとしたうとし、くはしく申すべく候へどもあまりふみををくかき候ときにかきたりて候ぞ恐恐謹言。

=九月十九日             日蓮在御判

%光日尼ごぜん御返事


<前 P0934 次>


満月城岡山ポケット版御書