日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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寺泊御書

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今の勧持品は未来は不軽品為る可し、其の時は日蓮は即ち不軽菩薩為る可し、一部八巻二十八品天竺の御経は一由旬に布くと承わる定めて数品有る可し、いま漢土日本の二十八品は略の中の要なり、正宗は之を置く流通に至つて宝塔品の三箇の勅宣は霊山虚空の大衆に被らしむ、勧持品の二万八万八十万億等の大菩薩の御誓言は日蓮が浅智には及ばず但し「恐怖悪世中」の経文は末法の始を指すなり、此の「恐怖悪世中」の次下の安楽行品等に云く「於末世」等云云、同本異訳の正法華経に云く「然後末世」又云く「然後来末世」、添品法華経に云く「恐怖悪世中」等云云、時に当り当世三類の敵人は之れ有るに但八十万億那由他の諸菩薩は一人も見えたまわず乾たる湖の満たず月の虧けて満ちざるが如し水清めば月を浮かべ木を植うれば鳥棲む、日蓮は八十万億那由他の諸の菩薩の代官として之を申す彼の諸の菩薩の加被を請う者なり。

 此の入道佐渡の国へ御共為す可きの由之を申す然る可き用途と云いかたがた煩有るの故に之を還す、御志し始めて申すに及ばず候人人に是くの如く申させ給え、但し囹僧等のみ心に懸り候便宜の時早早之を聴かす可し、穴賢穴賢。

= 十月二十二日 酉の時              日蓮花押

%   土木殿


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満月城岡山ポケット版御書