<前
P0990 次>/弘安二年十一月 五十八歳御作
いよ房は学生になりて候ぞつねに法門きかせ給へ。
はるかに見まいらせ候はねばをぼつかなく候、たうじとてもたのしき事は候はねどもむかしはことにわびしく候いし時よりやしなはれまいらせて候へばことにをんをもくをもいまいらせ候、それについてはいのちはつるかめのごとくさいはいは月のまさりしをのみつがごとくとこそ法華経にはいのりまいらせ候へ、さてはえち後房しもつけ房と申す僧をいよどのにつけて候ぞ、しばらくふびんにあたらせ給へととき殿には申させ給へ。
= 十一月二十五日 日蓮花押
% 富城殿女房尼御前
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