日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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富城入道殿御返事

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 乃至此の一門の人人にも相触れ給ふべし又必ずしいぢの四郎が事は承り候い畢んぬ、予既に六十に及び候へば天台大師の御恩報じ奉らんと仕り候あひだみぐるしげに候房をひきつくろい候ときにさくれうにおろして候なり、銭四貫をもちて一閻浮提第一の法華堂造りたりと霊山浄土に御参り候はん時は申しあげさせ給うべし、恐恐。

= 十月二十二日                日蓮花押

% 進上富城入道殿御返事

*治病大小権実違目

  /弘安五年六月 六十一歳御作

+             富木入道殿御返事  日蓮

  さへもん殿の便宜の御かたびら給い了んぬ。

  今度の人人のかたがたの御さいども佐衛門尉殿の御日記のごとく給い了んぬと申させ給い候へ。

  太田入道殿のかたがたのものときどの(富木殿)の日記のごとく給い候了んぬ此の法門のかたづらは佐衛門尉殿にかきて候、こわせ給いて御らむ有るべく候。

 御消息に云く凡そ疫病弥興盛等と云云、夫れ人に二の病あり一には身の病所謂地大百一水大百一火大百一風大百一已上四百四病なり、此の病は設い仏に有らざれども之を治す所謂治水流水耆婆扁鵲等が方薬此れを治するにゆいて愈えずという事なし、二には心の病所謂三毒乃至八万四千の病なり、此の病は二天三仙六師等も治し難し何に況や神農黄帝等の方薬及ぶべしや、又心の病重重に浅深勝劣分れたり、六道の凡夫の三毒八万四千の心病は小仏小乗阿含経倶舎成実律宗の論師人師此れを治するにゆいて愈えぬべし、但し此の小乗の者等小乗を本として或は大乗を背き


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