日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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太田殿女房御返事 /建治元年

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不空三蔵此の釈を消さんが為に事を竜樹に依せて「唯真言の法の中にのみ即身成仏するが故に是の三摩地の法を説く諸教の中に於て闕いて書せず」とかかれて候なり、されば此の論の次下に即身成仏をかかれて候があへて即身成仏にはあらず生身得忍に似て候、此の人は即身成仏はめづらしき法門とはきかれて候へども即身成仏の義はあへてうかがわぬ人人なり、いかにも候へば二乗成仏久遠実成を説き給う経にあるべき事なり、天台大師の「於諸教中秘之不伝」の釈は千且千且恐恐。

 外典三千余巻は政当の相違せるに依つて代は濁ると明す、内典五千七千余巻は仏法の僻見に依つて代濁るべしとあかされて候、今の代は外典にも相違し内典にも違背せるかのゆへにこの大科一国に起りて已に亡国とならむとし候か、不便不便。

= 七月二日            日蓮花押

% 太田殿女房御返事


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