日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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四条金吾釈迦仏供養事

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ましてなからんにはなにとも人申せくるしかるべからず、おもひのままに入道にもなりておはせばさきさきならばくるしからず、又身にも心にもあはぬ事あまた出来せばなかなか悪縁度度来るべし、このごろは女は尼になりて人をはかり男は入道になりて大悪をつくるなり、ゆめゆめあるべからぬ事なり、身に病なくともやいとを一二箇所やいて病の由あるべし、さわぐ事ありともしばらく人をもつて見せをほせさせ給へ。

 事事くはしくはかきつくしがたし、此の故に法門もかき候はず、御経の事はすずしくなり候いてかいてまいらせ候はん、恐恐謹言。

=   建治二年丙子七月十五日         日蓮花押

%   四条金吾殿御返事

*四条金吾殿御返事

 正法をひろむる事は必ず智人によるべし、故に釈尊は一切経をとかせ給いて小乗経をば阿難大乗経をば文殊師利法華経の肝要をば一切の声聞文殊等の一切の菩薩をきらひて上行菩薩をめして授けさせ給いき、設い正法を持てる智者ありとも檀那なくんば争か弘まるべき然れば釈迦仏の檀那は梵王帝釈の二人なりこれは二人ながら天の檀那なり、仏は六道の中には人天人天の中には人に出でさせ給う人には三千世界の中央五天竺五天竺の中には摩竭堤国に出でさせ給いて候しに、彼の国の王を檀那とさだむべき処に彼の国の阿闍世王は悪人なり、聖人は悪王に生れあふ事第一の怨にて候しぞかし、阿闍世王は賢王なりし父をころす、又うちそふわざはひと堤婆達多を師とせり、達多は三逆罪をつくる上仏の御身より血を出だしたりし者ぞかし、不孝の悪王と謗法の師とよりあひて候しかば人間に二のわざはひにて候しなり、一年二年ならず数十年が間仏にあだをなしまいらせ仏の御弟子を殺せし事数をしらず、


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