日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

破良観等御書

<前 P1290 次>


破和合僧も爾前小乗の戒なり法華円頓の大戒の僧にもあらず、大地われて無間地獄に入りしかども法華経の三逆ならざればいたうも深くあらざりけるかのゆへに提婆は法華経にして天王如来とならさせ給う、今の真言師念仏者禅律等の人人並に此れを御帰依ある天子並びに将軍家日本国の上下万人は法華経の強敵となる上一乗の行者の大怨敵となりぬ、されば設い一切経を覚り十方の仏に帰依し一国の堂塔を建立し一切衆生に慈悲ををこすとも衆流大海に入りかんみとなり衆鳥須弥山に近ずきて同色となるがごとく、一切の大善変じて大悪となり七福かへりて七難をこり現在眼前には他国のせめきびしく自身は兵にやぶられ妻子は敵にとられて後生には無間大城に堕つべし。

 此れをもんてをもうに故弥四郎殿は設い大罪なりとも提婆が逆にはすぐべからず、何に況や小罪なり法華経を信ぜし人なれば無一不成仏疑なきものなり。

 疑て云く今の真言師等を無間地獄と候は心へられぬ事なり、今の真言は源弘法大師伝教大師慈覚大師智証大師此の四大師のながれなり、此の人人地獄に堕ち給はずば今の真言師いかで堕ち候べき、答えて云く地獄は一百三十六あり一百三十五の地獄へは堕つる人雨のごとし其の因やすきゆへなり、一の無間大城へは堕つる人かたし五逆罪を造る人まれなるゆへなり、又仏前には五逆なし但殺父殺母の二逆計りあり、又二逆の中にも仏前の殺父殺母は決定として無間地獄へは堕ちがたし畜生の二逆のごとし、而るに今日本国の人人は又一百三十五の地獄へはゆきがたし、日本国の人人形はことなれども同じく法華経誹謗の輩なり、日本国異なれども同じく法華誹謗の者となる事は源伝教より外の三大師の義より事をこれり。

 問うて云く三大師の義如何、答えて云く弘法等の三大師は其の義ことなれども同じく法華経誹謗は一同なり、所謂善無畏三蔵金剛智三蔵不空三蔵の法華経誹謗の邪義なり。


<前 P1290 次>


満月城岡山ポケット版御書