<前
=弘安元年後十月十九日 日蓮花押
%千日尼御前御返事
御状の旨委細承り候い了んぬ、大覚世尊説いて日く「生老病死生住異滅」等云云、既に生を受けて齢六旬に及ぶ老又疑い無し只残る所は病死の二句なるのみ、然るに正月より今月六月一日に至り連連此の病息むこと無し死ぬる事疑い無き者か、経に云く「生滅滅已寂滅為楽」云云、今は毒身を棄てて後に金身を受ければ豈歎くべけんや。
=建治三年丁丑六月三日 日蓮花押
%阿仏房