<前
P1390 次>然るにかかる経文かたがた符合し候畢んぬ未来に仏に成り候はん事疑いなく覚え候、委細は見参の時申すべし。
=建治四年戊寅二月十三日 日蓮花押
% 松野殿御返事
日月は地におち須弥山はくづるとも、彼の女人仏に成らせ給わん事疑いなし、あらたのもしやたのもしや。
干飯一斗古酒一筒ちまきあうざしたかんな方方の物送り給いて候草にさける花木の皮を香として仏に奉る人霊鷲山へ参らざるはなし、況や民のほねをくだける白米人の血をしぼれるが如くなるふるさけを仏法華経にまいらせ給へる女人の成仏得道疑うべしや。
=五月一日 日蓮花押
% 妙法尼御返事
法華経第五の巻安楽行品に云く文殊師利此法華経は無量の国の中に於て乃至名字をも聞くことを得べからず云云、此の文の心は我等衆生の三界六道に輪回せし事は或は天に生れ或は人に生れ或は地獄に生れ或は餓鬼に生れ畜生に生れ無量の国に生をうけて無辺の苦しみをうけてたのしみにあひしかども一度も法華経の国には生ぜず、
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