日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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松野尼御前御返事

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*松野尼御前御返事

 日本国の人にはにくまれ候ぬ、みちふみわくる人も候はぬにをもいよらせ給いての御心ざし、石の中の火のごとし火の中の蓮のごとし、ありがたしありがたし、恐恐。

=正月二十一日                    日蓮在御判

%  松の尼御前御返事

*浄蔵浄眼御消息

 きごめの俵一瓜篭一根芋品品の物給い候畢んぬ、楽徳と名付けける長者に身を入れて我が身も妻も子も夜も昼も責め遣はれける者が、余りに責められ堪えがたさに隠れて他国に行きて其の国の大王に官仕へける程にきりものに成りて関白と成りぬ、後に其の国を力として我が本の主の国を打ち取りぬ、其の時本の主此の関白を見て大に怖れ前に悪く当りぬるを悔ひかへして官仕へ様様の財を引きける、前に負けぬる物の事は思ひもよらず今は只命のいきん事をはげむ、法華経も又斯の如く法華経は東方の薬師仏の主南方西方北方上下の一切の仏の主なり、釈迦仏等の仏の法華経の文字を敬ひ給ふことは民の王を恐れ星の月を敬ふが如し、然るに我等衆生は第六天の魔王の相伝の者地獄餓鬼畜生等に押し篭められて気もつかず朝夕獄卒を付けて責むる程に、兎角して法華経に懸り付きぬれば釈迦仏等の十方の仏の御子とせさせ給へば、梵王帝釈だにも恐れて寄り付かず何に況や第六天の魔王をや、


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満月城岡山ポケット版御書