日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

刑部左衛門尉女房御返事

<前 P1401 次>


其の御言に云く「而かも彼の土に於いて仏の智慧を求めて是の経を聞くことを得ん」等云云、此の経文は智者ならん人人は心をとどむべし、教主釈尊の父母の御ために説かせ給いて候経文なり、此の法門は唯天台大師と申せし人計りこそ知りてをはし候ひけれ、其の外の諸宗の人人知らざる事なり、日蓮が心中に第一と思ふ法門なり。

 父母に御孝養の意あらん人人は法華経を贈り給べし、教主釈尊の父母の御孝養には法華経を贈り給いて候、日蓮が母存生しておはせしに仰せ候し事をもあまりにそむきまいらせて候しかば、今をくれまいらせて候があながちにくやしく覚へて候へば一代聖教を・へて母の孝養を仕らんと存じ候間、母の御訪い申させ給う人人をば我が身の様に思ひまいらせ候へば、あまりにうれしく思ひまいらせ候間あらあらかきつけて申し候なり、定めて過去聖霊も忽に六道の垢穢を離れて霊山浄土へ御参り候らん、此の法門を知識に値わせ給いて度度きかせ給うべし、日本国に知る人すくなき法門にて候ぞ、くはしくは又又申すべく候、恐恐謹言

=十月二十一日                        日蓮花押

%  尾張刑部左衛門尉殿女房御返事

*舂麦御書

 女房御参詣こそゆめともうつつともありがたく候しか、心ざしいちのはせ申す、当時の御いもふゆのたか うなのごとしあになつのゆきにことならむ。

舂麦一俵芋一篭笋二丸給い畢んぬ。

=五月廿八日


<前 P1401 次>


満月城岡山ポケット版御書