日蓮大聖人御書
ネット御書
(釈迦一代五時継図)
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則ち疾く無上の仏道を得と為す能く来世に於て此の経を読み持たんは是真の仏子なり」云云、竜樹菩薩の大論に云く「自法愛染の故に他人の法を毀呰す持戒の行人と雖も地獄の苦を脱れず」云云、涅槃経の十二に云く「仏迦葉に告げ給わく若し菩薩有つて破戒の因縁を以て則ち能く人をして大乗経典を受持し愛楽せしむることを知って又能く其れをして経巻を読誦し通利し書写し広く人の為に説いて阿耨多羅三藐三菩提を退転せざらしめんと、是くの如き為の故に故さらに戒を破ることを得」云云、安然の広釈に云く「能く法華経を説く是を持戒と名く律儀を持すと雖も善法を摂せざれば猶木石の衣鉢を帯持せるが如し」云云、弘決の四に大論の十九を引いて云く「諸の比丘仏に問いたてまつる阿蘭若の比丘死しぬ今何の処にか生ずる仏の言く阿鼻獄に生ず諸の比丘大いに驚く、坐禅持戒するに便ち爾るを至すや仏答えて言く多聞持戒禅未だ漏尽の法を得ず」云云、伝教大師云く「今より已後声聞の利益を受けず菩薩は二百五十戒を捨て畢んぬ」云云、涅槃経の四に云く「我涅槃の後無量百歳に四道の聖人も悉く復涅槃せん正法滅して後像法の中に於て当に比丘有べし貌持律に像て少しく経を読誦し飲食を貪嗜し其の身を長養し袈裟を服すと雖も猶猟師の如く細めに視て徐かに行くこと猫の鼠を伺うが如し、常に是の言を唱う我羅漢を得たりと、諸の病苦多く糞穢に眠臥す外には賢善を現し内には貪嫉を懐く唖法を受けたる婆羅門等の如し、実に沙門に非ずして沙門の像を現し邪見熾盛にして正法を誹謗し及び甚深秘密の教を壊り各自意に随つて反つて経律を説く」云云、同九に云く「善男子一闡提有り羅漢の像を作し空処に住して方等大乗経典を誹謗す諸の凡夫人見已つて皆真の阿羅漢なり是れ大菩薩摩訶薩なりと謂えり」
一、善導和尚自害の事
 類聚伝に云く「導此の身諸苦に逼迫せられて情偽反易し暫くも休息すること無し、乃ち所居の寺の前の柳樹に登つて西に向て願つて云く仏の威神驟以て我を摂し観音勢至も亦来て我を助け給え、


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