満月城岡山牧石ファミネット > 2014年5月度座談会御書講義 呵責謗法滅罪抄

2014年5月度
座談会御書講義

呵責謗法滅罪抄


大白蓮華の52ページをご覧ください。御書は1125ページです。
こんばんは。満月です。

5月度の御書は、呵責謗法滅罪抄(かしゃくほうぼうめつざいしょう)です。 では、一緒に声を出して拝読しましょう。せーの

呵責謗法滅罪抄
何(いか)なる世の乱れにも 各各をば 法華経十羅刹助け給へと 湿れる木より火を出し 乾ける土より水を儲けんが如く 強盛に申すなり

ありがとうございました。
【背景】 大聖人の御化導は、間違った宗教を信じると、環境も周りの人も自分の健康も悪くなり、人は不幸になってしまう、法華経の正しい信仰を打ち立てることによって、諸天善神も自分を護り、幸せになることができるということだと思います。
大聖人は立正安国論に続き、鎌倉幕府の政権を統括していた平左衛門尉に対し、その謗法を呵責されます。一方、この大聖人の諌暁に反逆した平左衛門尉は、今から743年前の9月13日、竜の口で大聖人の首を切ろうとしました。

四条金吾は、大聖人が処刑されたなら、自分もその場で腹を切る覚悟で、大聖人の馬の口をとってお供をしていました。深夜2時頃、大聖人の首を切ろうとしたその時、突然、江ノ島の空の方から、大きな光りものが北西の方向へと走りました。兵士たちはこれに恐れおののいて、刑の執行は不可能となり、結局、大聖人は佐渡ヶ島で2年5か月の流罪になりました。

大聖人は、ご自身が、強く謗法を呵責したら、国主は、日蓮を怨み首を切ろうとしたり、流罪にするだろうが、そうなれば、無量劫の間、積み重ねた重罪も、一生の内に消えるであろうと言われ、その通りになったので、この願いも満足するであろうと、この「呵責謗法滅罪抄」の前半で言われています。

話はかわりますが、学校のいじめの集団の中で、皆から気に入られていない子を、自分もいじめれば、皆に認められます。逆に、「いじめはよくない。やめよう」と言えば、今度は自分がいじめられます。自分が正しいことを言って、批判されるのは、その集団が間違っていることの証左です。批判されるのは自分が正しい証拠です。正しいことをするのには勇気がいります。いいことをしないのは、悪いことをするのと、結果的に同じです。

竜の口の法難で、その弾圧は、鎌倉の門下にも及び、土牢に入れられたり、追放、所領没収などの処分を受け、多数の門下が、臆病と保身から、大聖人の仏法に疑いを起こして退転してしまいました。

しかし、その中で、四条金吾をはじめ、信仰を貫き通した女性の門下たちもおられました。日限女は、流罪の翌年、夫である金吾を、佐渡の大聖人のもとに送り出しています。
日妙聖人は、ご主人のいない、女性の身ながら、娘の乙御前を連れて鎌倉からはるばる佐渡まで大聖人を訪ねています。
今回の御文は、佐渡に渡って2年目、流刑の真っ只中におられる大聖人が、本抄の最後で、四条金吾をはじめとする純真な鎌倉の門下のことを心配され、門下の無事を真剣に祈られている一節です。

では【本文】52ページです。
【何なる世の乱れにも】
 どのように世の中が乱れていても
【各各をば 法華経十羅刹助け給へと】
 法華経よ、十羅刹よ、わが弟子を 断じて護り給え」と私は祈っています。
【湿れる木より火を出し 乾ける土より水を儲けんが如く強盛に申すなり】
 湿った木から火を出す思いで、乾ききった土から水を出す思いで、私は皆の無事を強盛に祈っている
と書かれています。

池田先生は、「これが師匠の祈りです。師匠とは何とありがたいものか。私はこの御文を拝するたびに、感謝と不借の念がわいてきます。私もまた、尊き同志の皆様方、そして全世界の民衆が、あらゆる辛苦を乗り越え、晴れ晴れと幸福・栄光の勝鬨(かちどき)を上げられるよう、ひたぶるに祈っています。」と言われています。

十羅刹女(じゅうらせつにょ)とは「10人の女の鬼神」のことです。 藍婆(らんば)、毘藍婆(びらんば)、曲歯(こくし)、華歯(けし)、黒歯(こくし)、多髪(たほつ)、無厭足(むえんそく)、持瓔珞(じようらく)、皐諦(こうだい)、奪一切衆生精気(だついっさいしゅじょうしょうけ)の十人です。

十羅刹女一覧

人の功徳・生命を奪い、蝕(むしばむ)む女の鬼神です。なぜ彼女たちがここまで非道なのか。
一つには、彼女たちのお母さんが、かわいい子供を食い殺すあの凶悪な「鬼子母神(きしもじん) 」だからです。しかし、悪逆非道を行うので、生命力は強いです。

昔テレビで、「GTO」というドラマがありました。主人公である鬼塚は、若いころヤクザで、非道の限りをつくしていました。が、改心して高校の教師になり、生徒を護る、いい先生になりました。昔悪いことをしていた人が改心してからは、その力がいい方に向いていきます。

十羅刹女も鬼子母神も改心し、法華経陀羅尼品第26で、法華経の題目を持つ者を守護すると釈尊に誓っています。御本尊様の主題の南無妙法蓮華経の「経」の御文字の右と左に鬼子母神と十羅刹女がしたためられています。

十羅刹女の誓願には「諸の衰患(すいげん)を離れ、衆(もろもろ)の毒薬を消せしむべし」とあります。それは、病魔をも打ち破る力、妙法を唱え弘めゆく人に、健康と安穏をもたらす力です。「南無妙法蓮華経は師子吼の如し・いかなる病 さは(障)りをなすべきや」です。

次に、「湿れる木より火を出し 乾ける土より水を儲けんが如く」ですが、 鎌倉時代は、木と木をこすりあわせて、その摩擦熱で火を起こしていました。木が、もし水を含んで湿っていても、丹念に擦りあわせれば、時間がかかっても、火を起こすことができます。
また乾いた大地であっても、より深く掘り進んでいけば、やがて水脈にあたり、水を得ることができます。願いが叶うまで、強盛な祈りを貫いていくことがだいじです。

本節で「何(いか)なる世」と書かれています。 今の日本を見ると、国の借金は1000兆円を超え、国民1人当たり、800万円の借金があります。国は、毎年40兆円の収入しかないのに、90兆円使っています。半分以上、毎年借金をしています。

また、国の全人口は、2008年をピークに、人口は減り続け、働く人の人口は減っていますが、65歳以上の高齢者の人口は、2020年まで増えます(*1 図2)。現在は、働いている人2人で、高齢者1人を支えている計算ですが、今の未来部が壮年婦人部になる2050年ころには、働く人が1人で、高齢者1人を支えることになります(*2 p4)。

日本の現在の高齢化率は24%で世界1位(*3 図1-1-7)。すでに超高齢社会ですが、2050年には高齢化率は約40%になると予想されています。鎌倉時代の平均寿命は24歳(*4)でしたが、現在は83歳です。有史以来、日本国内の人口はずっと増え続けており(*5)、大正時代から平均寿命はずっとのびています。(*6 図2)

自分が長く生きれるという事は大変ありがたいことです。
大聖人は、富木常忍の奥様に宛てられた可延定業書で
命と申す物は一身第一の珍宝なり一日なりともこれを延るならば千万両の金にもすぎたり」と言われています。

しかし、反面、高齢化は人類史上、世界のどの国も経験していない事態です。長寿であることはこの上なく幸福なことです。ただ、経済的には、これまでの50年と違って、こらからの日本の経済は下り坂、非常に危ういです。 日本の子供・若者はこのことを肌で感じており、将来に希望を持っている人が、世界7カ国の中では日本が最も少ないそうです(*7)。

これからの日本社会で生き伸びていくには、強い生命力と知恵と勇気が必要です。法華経の題目しかありません。十羅刹女は如何なる世でも法華経を保つ人を護ると誓っています。

本抄が書かれた年に、四条金吾の娘さんである、経王御前が重病になられたのですが、大聖人が経王御前の健康の回復を願って書かれた経王殿御返事に「いかなる処にて 遊びたはぶるとも つつが(恙)あるべからず。遊行(ゆぎょう)して 畏(おそ)れ無きこと 師子王の如くなるべし。十羅刹女の中にも皐諦女(こうだいにょ)の守護ふかかるべきなり。但し御信心によるべし。つるぎ(剣)なんども、すすまざ(不進)る人のためには用ゆる事なし。法華経の剣(つるぎ)は信心のけなげ(勇)なる人こそ用ゆる事なれ。鬼にかなぼう(鉄棒)たるべし、日蓮がたましひをすみにそめながしてかきて候ぞ信じさせ給へ、仏の御意(みこころ)は法華経なり 日蓮がたましひは南無妙法蓮華経にすぎたるはなし」と言われています。

何かにすがって『願いを叶えてもらう』ものではなく、自立した信仰者として、生命の無限の力を湧き出し、人生を楽しみ切っていくための信仰です。
変革の主体は私たち一人一人です。御本尊の偉大な力用(りきゆう)を引き出すのは、それを受持する人の「信心」にあることを教えられています。

先生は、御義口伝講義で、「皐諦女(こうだいにょ)は現代に約していえば、女子部のごとく、若き女性の身で妙法を受持した人を意味する。これに対し、鬼子母神は婦人部といえよう。このように陀羅尼品第二十六において、薬王、勇施(ゆせ)の二聖、毘沙門(びしゃもん)、持国(じこく)の二天といった男性と並んで、鬼子母神、十羅刹女が、法華経の行者を守護すると説かれているのは、男性と並んで、女性が御本尊のもとに、広宣流布のために活躍していくとの依文といえる。」と言われています。

私は、今年の3月は、おかげさまで仕事で過去最高の売り上げがあったのですが、4月が不調で、5月の経費の支払いで、恐らく確実に赤字になると困っていましたが、今月の初めにこの御書を拝し、朝晩祈る時に題目をもう一遍多く、もう一歩深くと祈りました。そうした所、不思議にも来週の支払期限前に、支払い分の売り上げを達成することができ、大聖人のご指導の一端を感じることができ、深く感謝しています。
御書は以上です。

それから、これは3月の座談会でご紹介した『「生きがい」の夜明け』のコピーです。福島大学の経済学の助教授が経済学雑誌に投稿したもので、世界で研究されてきた退行睡眠によって得られた「前世記憶の検証」に関するものです。生命が永遠であるとの科学的な研究です。コピーが10部ありますので、読まれたい方は差し上げます。
この助教授は現在は他宗を信じているようですが、この論文では科学的な検証しか書かれていませんし、この論文は仏法から見れば部分観にすぎませんが、内外相対の破折の材料としては使えると思います。おられますか? 
ありがとうございました。


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