日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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法華浄土問答抄

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所化の弟子並びに諸檀那等共に阿鼻大城に堕ちんか、今度分明なる証文を出して法然上人の阿鼻の炎を消さる可し云云。

=  文永九年[太歳壬申]正月十七日          日 蓮  花 押

                            弁 成  花 押

*法華真言勝劣事

 東寺の弘法大師空海の所立に云く法華経は猶華厳経に劣れり何に況や大日経等に於いてをやと云云、慈覚大師円仁智証大師円珍安然和尚等の云く法華経の理は大日経に同じ印と真言との事に於ては是れ猶劣れるなりと云云[其の所釈は余処に之を出す。]空海は大日経菩提心論等に依つて十住心を立てて顕密の勝劣を判ず、其の中に第六に他縁大乗心は法相宗第七に覚心不生心は三論宗第八に如実一道心は天台宗第九に極無自性心は華厳宗第十に秘密荘厳心は真言宗なり、此の所立の次第は浅き従り深きに至る其の証文は大日経の住心品と菩提心論とに出づと云えり、然るに出す所の大日経の住心品を見て他縁大乗覚心不生極無自性を尋ぬるに名目は経文に之有り然りと雖も他縁覚心極無自生の三句を法相三論華厳に配する名目は之無し、其の上覚心不生と極無自性との中間に如実一道の文義共に之無し、但し此の品の初に「云何なるか菩提謂く如実に自心を知る」等の文之有り、此の文を取つて


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