日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

小乗大乗分別抄

<前 P0524 次>


例せば日本国の人唐土の内裏に入らん事は必ず日本の国王の勅定によるべきが如し穢土を離れて浄土に入る事は必ず法華経の力なるべし、例せば民の女乃至関白大臣の女に至るまで大王の種を下せば其の産る子王となりぬ、大王の女なれども臣下の種を懐姙せば其の子王とならざるが如し、十方の浄土に生るる者は三乗人天畜生等までも皆王の種姓と成つて生るべし皆仏となるべきが故なり、阿含経は民の女の民を夫とし華厳方等般若等は臣の女の臣を夫とせるが如し、又華厳経方等般若大日経等の円教の菩薩等は大王の女の臣下を夫とせるが如し、皆浄土に生るべき法にはあらず、又華厳阿含方等般若等の経経の間に六道を出づる人あり是は彼彼の経経の力には非ず過去に法華経の種を殖えたりし人現在に法華経を待たずして機すすむ故に爾前の経経を縁として過去の法華経の種を発得して成仏往生をとぐるなり、例せば縁覚の無仏世にして飛花落葉を観じて独覚の菩提を証し孝養父母の者の梵天に生るるが如し飛花落葉孝養父母等は独覚と梵天との修因にはあらねどもかれを縁として過去の修因を引きおこし彼の天に生じ独覚の菩提を証す、而るに尚過去に小乗の三賢四善根にも入らず有漏の禅定をも修せざる者は月を観じ花を詠じ孝養父母の善を修すれども独覚ともならず色天にも生ぜず、過去に法華経の種を殖ざる人は華厳経の席に侍りしかども初地初住にものぼらず、鹿苑説教の砌にても見思をも断ぜず観経等にても九品の往生をもとげず、但大小の賢位のみに入つて聖位にはのぼらずして法華経に来つて始めて仏種を心田に下して一生に初地初住等に登る者もあり、又涅槃の座へさがり乃至滅後未来までゆく人もあり、過去に法華経の種を殖たる人人は結縁の厚薄に随つて華厳経を縁として初地初住に登る人もあり、阿含経を縁として見思を断じて二乗と成る者もあり、観経等の九品の行業を縁として往生する者もあり、方等般若も此れをもつて知んぬべし、此等は彼彼の経経の力にはあらず偏に法華経の力なり譬えば民の女に王の種を下せるを人しらずして民の子と思ひ大臣等の女に王の種を下せるを人しらずして


<前 P0524 次>


満月城岡山ポケット版御書