日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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釈迦一代五時継図

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良に久遠の初業に常を聞くに由る若し昔聞かずんば小尚具せず況や復大をや」云云、弘決の三に云く「若し全く未だ曾て大乗の常を聞かずんば既に小果無し誰か禁戒の具不具を論ぜんや」云云、又云く「羯磨不成と言うは所謂久遠必ず大無んば則ち小乗の秉る法を成ぜざらしめん本無きを以ての故に諸行成ぜざること樹の根無ければ華果を成ぜざるが如し、時機未だ熟せずんば権に小の名を立つ汝等の行ずる所是れ菩薩の道、始めて記を得て方に大人と名くるに非ず」釈籤の一に云く「法譬二周得益の徒は往日結縁の輩に非ること莫し」云云。

    五百塵点久遠を以て元始と為す寿量品の意なり

    五百塵点霊山の中間

第三に師弟の遠近不遠近の相

    種熟脱を論ず

    種は久遠熟は過去脱は近く世世番番の成道今日の法華なり

玄義の一に云く「又衆経に咸く云く道樹に師の実智始めて満じ道樹を起て始めて権智を施す今の経は師の権実道樹の前に在て久久に已に満すと明かす、諸経に明かす二乗の弟子は実智に入ることを得ず亦権智を施すこと能わず、今の経に明かす弟子の入実は甚だ久し、亦先より解して権を行ず、又衆経は尚道樹の前の師と弟子との近近の権実を論ぜず況や復た遠遠をや、今の経は道樹の前の権実長遠なることを明かす補処世界を数うるに知らず況や其の塵数をや」経に云く「昔未だ曾て説ざる所今皆当に聞くことを得べし慇懃に称讃すること良に所以有るなり、当に知るべし此の経は諸経に異ることを」釈籤の一に云く「二乗猶小果に住す故に不入と云う豈に能く他を化せんや、故に権を施さず、次に今経を明かす満願等の如き先に已に実に入る説法第一なり、故に先より解して権を行ずることを」弘の七に云く「過去に種を下すは現在に重ねて聞いて成熟の益を得、


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