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P0690 次>若し此の恵を得れば則ち能く惑を破す故に智を用つて乗体と為す文。
弘の五に云く何の密語に依つて此くの如き説を作したもう、仏の言く二の密語に依る謂く自証法及び本住法なり、然るに一代の施化豈権智被物の教無からんや、但此の二に約して未だ曾て説有らざる故に不説と云うのみ文。
籤の一に云く三に廃迹とは後の如く前の如し文を引く中初に諸仏の下同を引く為度の下正しく廃迹を明す、廃し已れば迹無し故に皆実と云う、実は只是れ本権は只是れ迹若し同異を弁ぜば広く第七の巻の如し文、籤の一に云く捨は只だ是れ廃故に知んぬ開と廃は名異躰同なることを文。
止の六に云く和光同塵は結縁の始め八相成道は以て其の終りを論ずと文。
弘の六に云く和光の下身を現ずるを釈するなり四住の塵に同じ処処に縁を結び浄土の因を作し利物の始めと為す、衆生機熟して八相成道す身を見法を聞き終に実益に至る文。
天照大神の託宣に云く
往昔勤修して仏道を成じ求願円満遍照尊閻浮に在つては王位を護り衆生を度せんが為に天照神。
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