日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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御講聞書

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*御講聞書

/自弘安元年三月十九日連連御講至同三年五月二十八日也仍記之畢

           日向記之

 凡そ法華経と申すは一切衆生皆成仏道の要法なり、されば大覚世尊は説時未至故と説かせ給いて説く可き時節を待たせ給いき、例せば郭公の春をおくり鶏鳥の暁を待ちて鳴くが如くなり、此れ即ち時を待つ故なり、されば涅槃経に云く以知時故名大法師と説かれたり、今末法は南無妙法蓮華経の七字を弘めて利生得益あるべき時なり、されば此の題目には余事を交えば僻事なるべし、此の妙法の大曼荼羅を身に持ち心に念じ口に唱え奉るべき時なり、之に依って一部二十八品の頂上に南無妙法蓮華経序品第一と題したり。

一妙法蓮華経序品第一の事 玄旨伝に云く、一切経の惣要とは謂く妙法蓮華経の五字なり、又云く、一行一切行恒修此三昧文、云う所の三昧とは即ち法華の有相無相の二行なり、此の道理を以て法華経を読誦せん行者は即ち法具の一心三観なり云云、此の釈に一切経と云うは近くは華厳阿含方等般若等なり、遠くは大通仏より已来の諸経なり、本門の意は寿量品を除いて其の外の一切経なり、惣要とは天には日月地には大王人には神眼目の如くなりと云う意を以つて釈せり、此れ即ち妙法蓮華経の枝葉なり、一行とは妙法の一行に一切行を納めたり、法具とは題目の五字に万法を具足すと云う事なり、然る間三世十方の諸仏も上行菩薩等も大梵天王帝釈四王十羅刹女天照大神八幡大菩薩山王二十一社其の外日本国中の小神大神等此の経の行者を守護すべしと法華経の第五巻に分明に説かれたり、影と身と音と響との如し、


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