日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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法蓮抄

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上の提婆達多がごとく三業相応して一中劫仏を罵詈し奉るにすぎて候ととかれて候、何に況や当世の人の提婆達多がごとく三業相応しての大悪心をもつて多年が間法華経の行者を罵詈毀辱嫉妬打擲讒死歿死に当てんをや。

 問うて云く末代の法華経の行者を怨める者は何なる地獄に堕つるや、答えて云く法華経の第二に云く「経を読誦し書持すること有らん者を見て軽賎憎嫉して結恨を懐かん乃至其の人命終して阿鼻獄に入らん一劫を具足して劫尽きなば復死し展転して無数劫に至らん」等云云、此の大地の下五百由旬を過ぎて炎魔王宮あり、その炎魔王宮より下一千五百由旬が間に八大地獄並びに一百三十六の地獄あり、其の中に一百二十八の地獄は軽罪の者の住処八大地獄は重罪の者の住処なり、八大地獄の中に七大地獄は十悪の者の住処なり、第八の無間地獄は五逆と不孝と誹謗との三人の住処なり、今法華経の末代の行者を戯論にも罵詈誹謗せん人人はおつべしと説き給へる文なり、法華経の第四法師品に云く「人有つて仏道を求めて一劫の中に於て乃至持経者を歎美せんは其の福復彼に過ぎん」等云云、妙楽大師云く「若し悩乱する者は頭七分に破れ供養する有らん者は福十号に過ぐ」等云云、夫れ人中には転輪聖王第一なり此の輪王出現し給うべき前相として大海の中に優曇華と申す大木生いて華さき実なる、金輪王出現して四天の山海を平になす大地は緜の如くやはらかに大海は甘露の如くあまく大山は金山草木は七宝なり、此の輪王須臾の間に四天下をめぐる、されば天も守護し鬼神も来つてつかへ竜王も時に随つて雨をふらす、劣夫なんどもこれに従ひ奉れば須臾に四天下をめぐる、是れ偏に転輪王の十善の感得せる大果報なり、毘沙門等の四大天王は又これには似るべくもなき四天下の自在の大王なり、帝釈は・利天の主第六天の魔王は欲界の頂に居して三界を領す、此れは上品の十善戒無遮の大善の所感なり、大梵天王は三界の天尊色界の頂に居して魔王帝釈をしたがへ三千大千界を手ににぎる、有漏の禅定を修行せる上に慈悲喜捨の四無量心を修行せる人なり、声聞と申して舎利弗迦葉等は二百五十戒無漏の禅定の上に苦空無常無我の観をこらし三界の見思を断尽し水火に自在なり


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