日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

[目次]

大夫志殿御返事 /弘安三年 五十九歳御作

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然りと雖も釈有り伝教大師云く「誰か福を捨て罪を慕う者あらんや」云云、福を捨てるとは天台大師を捨てる人なり、罪を慕うとは上に挙ぐる所の法相三論華厳真言の元祖等なり、彼の諸師を捨て一向に天台大師を供養する人の其の福を今申すべし、三千大千世界と申すは東西南北一須弥山六欲梵天を一四天下となづく、百億の須弥山四州等を小千と云う、小千の千を中千と云う、中千の千を大千と申す、此の三千大千世界を一にして四百万億那由佗国の六道の衆生を八十年やしなひ法華経より外の已今当の一切経を一一の衆生に読誦せさせて三明六通の阿羅漢辟支仏等覚の菩薩となせる一人の檀那と、世間出世の財を一分も施さぬ人の法華経計りを一字一句一偈持つ人と相対して功徳を論ずるに、法華経の行者の功徳勝れたる事百千万億倍なり、天台大師此れに勝れたる事五倍なり、かかる人を供養すれば福を須弥山につみ給うなりと伝教大師ことはらせ給ひて候、此の由を女房には申させ給へ、恐恐謹言。

%  大夫志殿御返事 花押

*兵衛志殿御返事

青鳧五貫文送り給び了んぬ、唱え奉る南無妙法蓮華経一返の事、恐恐。

= 六月十八日 日蓮花押

% 兵衛志殿御返事


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