日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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四条金吾殿御消息

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三光天子の中に月天子は光物とあらはれ竜口の頚をたすけ、明星天子は四五日已前に下りて日蓮に見参し給ふ、いま日天子ばかりのこり給ふ定めて守護あるべきかとたのもしたのもし、法師品に云く「則遣変化人為之作衛護」疑あるべからず、安楽行品に云く「刀杖不加」普門品に云く「刀尋段段壊」此等の経文よも虚事にては候はじ、強盛の信力こそありがたく候へ、恐恐謹言。

=文永八年九月二十一日               日蓮花押

% 四条金吾殿

*同生同名御書

   /文永九年四月 五十一歳御作

  此の御文は藤四郎殿の女房と常によりあひて御覧あるべく候。

大闇をば日輪やぶる女人の心は大闇のごとし法華経は日輪のごとし、幼子は母をしらず母は幼子をわすれず、釈迦仏は母のごとし女人は幼子のごとし、二人たがひに思へばすべてはなれず一人は思へども一人思はざればあるときはあひあるときはあわず、仏はをもふもののごとし女人はをもはざるもののごとし、我等仏ををもはばいかでか釈迦仏見え給はざるべき、石を珠といへども珠とならず珠を石といへども石とならず、権経の当世の念仏等は石のごとし、念仏は法華経ぞと申すとも法華経等にあらず、又法華経をそしるとも珠の石とならざるがごとし。

 昔唐国に徽宗皇帝と申せし悪王あり、道士と申すものにすかされて仏像経巻をうしなひ僧尼を皆還俗せしめしに一人として還俗せざるものなかりき、


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