日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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四条金吾殿御返事 /弘安三年十月 五十九歳御作

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 然るに今山林に世を遁れ道を進まんと思いしに人人の語様様なりしかども旁存ずる旨ありしに依りて当国当山に入りて已に七年の春秋を送る、又身の智分をば且らく置きぬ法華経の方人として難を忍び疵を蒙る事は漢土の天台大師にも越え日域の伝教大師にも勝れたり、是は時の然らしむる故なり、我が身法華経の行者ならば霊山の教主釈迦宝浄世界の多宝如来十方分身の諸仏本化の大士迹化の大菩薩梵釈竜神十羅刹女も定めて此の砌におはしますらん、水あれば魚すむ林あれば鳥来る蓬莱山には玉多く摩黎山には栴檀生ず麗水の山には金あり、今此の所も此くの如し仏菩薩の住み給う功徳聚の砌なり、多くの月日を送り読誦し奉る所の法華経の功徳は虚空にも余りぬべし、然るを毎年度度の御参詣には無始の罪障も定めて今生一生に消滅すべきか、弥はげむべしはげむべし。

= 十月八日 日蓮花押

%  四条中務三郎左衛門殿御返事


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満月城岡山ポケット版御書