日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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弥源太入道殿御返事

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 是はさて置き候ぬ御音信も候はねば何にと思いて候つるに御使うれしく候、御所労の御平愈の由うれしく候うれしく候、尚仰せを蒙る可く候恐恐謹言。

= 九月十七日                日蓮花押

%  弥源太入道殿御返事

*弥源太入道殿御消息

 一日の御帰路をぼつかなく候つる処に御使悦び入つて候、御用事の御事共は伯耆殿の御文に書かせて候、然るに道隆の死して身の舎利となる由の事、是は何とも人知らず用いまじく候へば兎角申して詮は候はず、但し仏の以前に九十五種の外道ありき各各是を信じて仏に成ると申す、又皆人も一同に思いて候し程に仏世に出でさせ給いて九十五種は皆地獄に堕ちたりと説かせ給いしかば五天竺の国王大臣等は仏は所詮なき人なりと申す、又外道の弟子どもも我が師の上を云れて悪心をかき候、竹杖外道と申す外道の目連尊者を殺せし事是なり、苦得外道と申せし者を仏記して云く七日の内に死して食吐鬼と成るべしと説かせ給いしかば外道瞋りをなす、七日の内に食吐鬼と成りたりしかば其を押し隠して得道の人の御舎利買うべしと云いき、其より外に不思議なる事数を知らず。

 但し道隆が事は見ぬ事にて候へば如何様に候やらん、但し弘通するところの説法は共に本権教より起りて候しを今は教外別伝と申して物にくるひて我と外道の法と云うか、其の上建長寺は現に眼前に見へて候、日本国の山寺の敵とも謂いつべき様なれども事を御威によせぬれば皆人恐れて云わず、


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満月城岡山ポケット版御書