日蓮大聖人御書全集 創価学会版
(ポケット版御書)

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教行証御書 /文永十二年三月 五十四歳御作

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日本人王三十代欽明天皇の御宇に仏法渡つて今に七百余年前代未聞の大法此の国に流布して月氏漢土一閻浮提の内の一切衆生仏に成るべき事こそ有り難けれ有り難けれ、又已前の重末法には教行証の三つ倶に備われり例せば正法の如し等云云、已に地涌の大菩薩上行出でさせ給いぬ結要の大法亦弘まらせ給うべし、日本漢土万国の一切衆生は金輪聖王の出現の先兆の優曇華に値えるなるべし、在世四十二年並びに法華経の迹門十四品に之を秘して説かせ給はざりし大法本門正宗に至つて説き顕し給うのみ。

良観房が義に云く彼の良観が日蓮遠国へ下向と聞く時は諸人に向つて急ぎ急ぎ鎌倉へ上れかし為に宗論を遂げて諸人の不審を晴さんなんど自讃毀他する由其の聞え候、此等も戒法にてや有らん強ち尋ぬ可し、又日蓮鎌倉に罷上る時は門戸を閉じて内へ入るべからずと之を制法し或は風気なんど虚病して罷り過ぎぬ、某は日蓮に非ず其の弟子にて候まま少し言のなまり法門の才覚は乱れがはしくとも律宗国賊替るべからずと云うべし、公場にして理運の法門申し候へばとて雑言強言自讃気なる体人目に見すべからず浅・しき事なるべし、弥身口意を調え謹んで主人に向うべし主人に向うべし。

= 三月二十一日 日 蓮 花 押

% 三位阿闍梨御房へ之を遣はす


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満月城岡山ポケット版御書